2013年12月14日土曜日

賃貸か?所有か?リタイアメントを考えると・・・(後編)



前回は、誰にでも必要な「住居」を所有するか賃貸のままか、それぞれの場合での資産形成の違いについて大まかなお話をしました。言われてみればその通り、という事ではあるのですが、では、具体的にどれほどの違いが生じるのでしょうか。月額$2,500の住居費を支払う場合を例に両者の違いを見てみましょう。

住宅を所有されているケース:
 ローン返済、固定資産税、火災保険、修繕や改装などの支払いは毎月ご自分の資産形成になります。そしてその支払いの大部分が税務上で控除対象となり、節税効果が期待できます(*)。
◎  認識が薄いのは固定金利の住宅ローンの恩恵です。例えばローンの月支払額が$2,500だとすると、この月額はこのローンを持っている限り30年間1セントも増えません。5年後、10年後、20年後、30年後の月額$2,500の実質の価値はインフレで大きく減少します。そしてローンを完済すると、当然ですが支払いは無くなります。
 自宅物件の場合、ご夫婦で$500Kまで、個人で$250Kまでのキャピタルゲインへ課税がありません(*)。投資物件の場合でも、1031エクスチェンジという方法でキャピタルゲインの課税を先送りすることができ、最終的にその物件をご自分の自宅として住むことにより、価値の上昇へ対して全く税金が発生しないという方法もあります(*)。
 増改築は家の資産価値を高め、またCapital Improvementとして節税効果もあります(*)。
 住宅は、必要であればいつでも売却をして換金できる高額資産であり、安心できるリタイア生活に欠かせない財産設計となります。

賃貸へずっと住み続けるケース:
×     家賃は定期的に上昇し続けます。例えば現在の家賃が月$2,500だとして、この家賃は5年後、10年後、20年後、30年後どうなっていると思いますか?2倍?それとも3倍以上?勿論、何年家賃を払っても大家さんの資産形成のお手伝いをしているだけで、自分の資産への貢献はゼロです。
×     家賃は上昇し続けても控除対象にならないため、節税効果は期待できません(*)。
×     大家さんの都合(売却など)で賃貸契約の更新ができず引っ越しを強いられることもあります。つまり、住む場所としての安定性も保証されません。
×     借りている家なので自分の好みで改装はできません。
×     住居での資産形成が全く無いため、それ以外の方法でリタイア生活を支える財産設計をしなければなりません。

(*)詳しくは会計士へご確認ください

いかがでしょうか?毎月同じように住居費の支払いをしながらも、所有と賃貸とでは、数十年後の資産形成においてかなりの差が生まれる事をお分かりいただけたと思います。
この違いをあまり強く認識せずに、30代、40代まで賃貸を続ける方も意外と多くいらっしゃいますが、実際にリタイアメントを迎えた時、この資産形成の違いが致命傷となるケースが沢山あります。
安心できるリタイア生活を迎えるために必要な資産管理。不動産をうまく活用して賢く財産設計をすることが、その重要な鍵となります。

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