2014年1月26日日曜日

アメリカ不動産売買に関わる専門業者たち その2「アプレイザー」



本日は、「アプレイザー」を取り上げようと思います。

アプレイザーとは資格を持った不動産鑑定士のことで、物件の価格を査定(アプレイザル)して市場評価額を報告する業務を行います。

アメリカでは中古住宅の価値を査定するための統一基準が設けられており、アプレイザーはその基準に照らし合わせて物件の市場価値を査定しています。
一般住宅の査定には、Comparable Sales Approachという方法が用いられます。
これは、同じエリアで最近売買された類似物件のデータを元にする鑑定方法です。
アプレイザーに査定を依頼をするのはローン会社や銀行ですが、その費用は、通常バイヤーが負担します。


この価格査定によって、ローン会社や銀行はその物件の正当な市場価値を判断することができますので、バイヤーとセラーの提出した書類の精査をスムーズに行うことができます。

日本では、不動産価値というのはほぼ土地に対してのものという認識が強く、建物の市場価値は新築が頂点にあり、築年数が経てばその分価値を評価されなくなるのが通例です。

しかしアメリカでは土地と建物を含めた「住宅」としての質が重視されており、築年数が古いものでも、魅力的な内装リフォームや増改築が施されていることによって市場評価額が高い物件というのは、普通に数多く存在します。

そのため、単に土地の広さやロケーションだけではその物件の本当の市場価値は計ることができないのです。

前述のように、日本では住宅そのものの価格は経年減価していくために、ローン提供に関してはバイヤーの返済能力が最も重要な要素となりますが、アメリカの住宅は必ずしも築年数に比例して価値が下がるわけではありませんので、「いま売却するとしたらいくらになるのか?」という市場評価額による担保の価値がローン提供に大きく影響します。

アプレイザーという専門業者が入ることで、この査定金額が非常に信頼のおけるものになり、ローン会社や銀行は、担保物件がローンに相当する価値のあるものだということを把握する事ができるので、その物件に対してのローンを提供するプロセスをスムーズに進めることができるというわけです。
このように、アプレイザーもまた、アメリカの不動産取引においては欠かす事のできないパートナーなのです。

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