2014年1月21日火曜日

アメリカ不動産売買に関わる専門業者たち その1「ホームインスペクター」


アメリカでは、様々な業界で細かい専門分野のそれぞれに精通したプロフェッショナルが存在します。
例えば、弁護士の方なら、移民法の専門家であったり特許や著作権の専門家であったり、といった具合です。

不動産業界にも、取引に不可欠な専門分野のプロフェッショナルが存在します。
その一つが今回ご紹介する「ホームインスペクター」です。

彼らは業界組織から認定を受けた専門業者で、住宅購入の大切なプロセスとしてバイヤーやエージェントから依頼を受けて、物件の状態を検査(インスペクション)します。
これは、屋根や基礎、床といった構造上のダメージについての検査はもちろんのこと、物件に備え付けてある冷暖房や給湯器、マイクロウェーブや食器洗浄機などのアプライアンスが正常に動作するかどうかの確認、水回りや電気系統など細かい検査を行い、不備や不具合を報告します。

もちろん彼らはプロフェッショナルのお仕事ですので、依頼主が検査料を支払う事になります。
このインスペクションで見つかった不具合や修繕が必要な箇所について、契約書に明記されている一定期間内に、バイヤーはセラーへ修繕もしくはクレジットのリクエストを出すことができます。
もし、その間に交渉が成立しない場合、バイヤーはそれを理由にキャンセルすることができ、エスクローに入れてある手付金も全額返金されます。

日本では、まだこの制度が整っておらず、ホームインスペクターという専門業者も存在しません。
中古住宅の場合は新築と違い、瑕疵担保責任を負わない場合が多いようですね。
中古のものは、現状渡し(ダメージもそのまま)、が基本だそうです。

アメリカの場合は、競売物件を除く通常取引であれば、雨漏りや水漏れ、シロアリなど、住む上で問題となるような項目は契約終了前にセラーが対処して解決するのが一般的です。

このように、インスペクションを実行することにより、物件購入のプロセス中に素人では気付かないダメージ等を把握することができますし、その問題をクリアーにした上で契約を進めることができます。
ですので、費用をかけてでも、信頼のおけるインスペクターに検査を依頼する事が非常に重要です。


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